母親の支配から抜けだせない夫たち

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面倒くさいことは避けたい、回避型性格の夫

旦那さんが悪い人ではないけれども、何かまだ大人になりきっていないように感じたことはありませんか?

夫婦仲が特別悪いわけでもなく、夫婦喧嘩が多いわけでもないけれども、なぜか旦那さんに安心して寄りかかることができない。

こういう旦那さんは、人間関係においても、人とぶつかるのが苦手です。

夫婦や家庭の問題について真剣に話し合おうとしても、そういう面倒なことについて議論したりするのがイヤで、スルリとかわされてしまったりします。

奥さんは、プレッシャーに弱く、面倒くさいことは避けたい旦那さんの姿に、家長としての責任感を感じることが出来ません。

子育てや義理の家族たちとの付き合いまで、奥さんが一人で背負ってしまうことになり、次第に夫婦関係もギクシャクしてくる場合が多いのです。

悩みを話してくれない夫に不安が募る妻

このタイプの旦那さんを持つ女性は、夫のことを心のどこかで常に心配していますが、夫の方は、なかなか自分の悩みや内面をさらけ出してくれません。

奥さんとしては、さらに心配になって問い詰めますが、問い詰めれば問い詰めるほど、避けられたり逆ギレされたりします。

結局、奥さんは独り相撲をしているような寂しさを感じ、優しいけれど本音では触れ合えない夫との生活に、不安を感じるようになります。

回避型性格の男性を作る、支配型の母親

このような旦那さんの背景には、ほとんどといっていいほど、強いお母さんが存在します。

強いというのは、男性的で肝っ玉母さんという意味ではなく、自分の枠に子供を当てはめたがる母親を意味します。

「子供のため」と言いながら、過干渉・過保護であることが多く、無意識のうちに子供をコントロールしようとします。

一見、典型的な良妻賢母で、家族のためによく尽す献身的な母親であるため、子供も真っ向から反抗することができません。

真綿で首を絞められるような息が詰まる支配の下で、優等生の仮面をかぶりながら生きていくのです。

たとえ目に見える形の虐待や依存症はなかったとしても、子供は心理的な面で、ありのままの自分を否定されていると感じるのです。

支配する側と支配される側

人間というものは、だれもが支配欲を持っています。

AさんとBさんという人が一緒に暮らすとき、AさんはAさんのままではいられず、BさんもBさんのままではいられません。

AさんはBさんを思い通りにしたいと思うし、BさんはAさんを自分の思い通りにしたいと思うからです。

これが支配というもののの根源です。

愛という名の支配

ところが親子の関係においては、愛情という名を借りた支配が起こることがあります。

親が子供に対し、教育やしつけと称しながら、子供を自分の思うように仕立てていこうとします。

もちろん、そうした親の教育なしでは、子供は一人前になれません。

でも、子供が成人した時点で、親離れ・子離れするべきであり、「もうあなたは、あなたの思うままに生きていいのよ」と手放してあげるべきなのです。

それが出来ないと、子供が結婚してからも、アレコレと干渉するヘリコプター・パーレンツとなり、一生子供を苦しめるのです。

母親のイメージを妻に重ねてしまう夫

このような母親に育てられた男性は、反抗期にも反抗できなかった人が多く、母親の前では、無意識に母親を喜ばせる態度をとってしまいます。

それと同時に、ありのままの自分を認めてくれない母親への不満や、母親からの支配から抜け出したいという強い潜在意識の欲求があり、突然キレたり無鉄砲な行動に出たりすることがあります。

実際の母親には向けられない思いを、母親の代わりに妻にぶつけてくる旦那さんも少なくありません。

でもそれは、妻の前では、少なくともホンネを出しているということなのです。

心の中で自分を支配し続けるインナー・マザーのイメージを、同じ女性である妻に重ねてしまい、

母親の前では抑圧していた感情を爆発させてしまうこともあります。

 

こういう男性が求めるのは、自分をありのままに受け入れてくれる母親的存在です。

小さい頃から、愛されるためには母親の気に入る行動を取らなければならなかったため、ありのままの自分を受け入れてもらっていない、という思い残しがあり、本質的な自信の無さを抱えています。

どんな時も、ありのままの自分を受け入れてくれる存在、心の安全基地になってくれる女性を必要としていると言えるでしょう。

夫を育て直し、インナー・マザーから解放するには

こういう夫を持つ妻は、要求しない母親・支配しない母親として、旦那さんを育て直してあげる必要があります。

妻がちょっと要求的な態度を示すと、夫は自分の中の「要求してくる母親のイメージ(インナー・マザー)」を、妻の姿に重ねてしまい、過敏反応を起こして、対話を避けて引きこもったり、逆ギレします。

夫だと思うと、その態度に腹が立つばかりですが、一度目線を変えて、思春期の息子なんだと考えてみて下さい。

そして、夫が多少呆れる行動をとったとしても、彼の本来の善なる姿を信じてあげてください。

夫の心の安全基地になること

夫婦において、自分の息子でもない夫を育てなおすには、大変な忍耐が要ります。

そのためには、妻の心がしっかりと安定している必要があります。

妻の潜在意識が、過去の傷やわだかまりから解放されて、健康な状態でなければなりません。

ただ、家系的に見ると、こうした夫と結婚したのには、ちゃんと理由があって、お互いの成長のために必要だからこそ、出会った相手と言えます。

また、その難しい役割をやりこなせる力量を持った女性だからこそ、そこに嫁いできたのです。

夫を変えることは簡単ではありませんが、家系的な背景を理解し、夫婦の方向性をしっかりと見据えながら、一歩ずつ努力していきましょう。