離婚すべきかどうか悩む時に、読んでほしいアドバイス

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「離婚」という二文字が、脳裏にちらつき始めたら…

人生には様々な試練があります。

しかし、結婚生活の破綻ほど、個人と家族に大きな打撃を与えるものは、ありません。

家族において、夫婦というヨコの軸と、親子というタテの軸が、その主軸をなしているため、夫婦の崩壊を意味する離婚は、そのまま家族の崩壊を意味します。

つまり、離婚とは夫と妻だけの問題だけではなく、その子供たちや両家の親族にまで、大きな影響を及ぼす出来事なのです。

 

離婚は、避けるに越したことはありません。

ただ、結婚生活があまりにも苦痛に満ちたものになると、個人の幸せという観点から見て、離婚を考慮しなければならない時があります。

家族のために、個人がこれ以上犠牲になることが出来ない、という限界点を越えた時は、離婚を選択する方が賢明な場合もあります。

家庭内暴力(DV)やモラル・ハラスメント(モラハラ)、浮気・不倫などは、個人の幸せに大きなダメージを与えます。

子供たちのために我慢したとしても、毎日の生活に何の喜びも見い出すことができず、不安と恐怖に怯えて暮らさなければならないとしたら、それはもはや健康的tな家庭生活とは言えません。

このように、家庭の幸せは、あくまでそれを構成する個人の幸せの上に成り立っているのです。

離婚が最善の選択なのか、迷うとき

とは言え、できることならば離婚を回避して、夫婦関係を修復していきたいというのが、多くの方たちの願いであると思います。

夫婦には、内外両面の機能があります。

外的には、生殖を通して子供を産み育て、経済活動・育児・家事を協力して分担し、家庭生活を営んでいくというものです。

内的には、愛でお互いを慈しみ、心身両面の健康と幸福感の増進をはかるというものです。

離婚するという選択は、この内外の機能を、一人で背負っていかなければならないということを意味します。

仕事・家事・育児を一人で担当するのは、第三者の助けなしには大変ですし、特に女性の場合は、離婚後の経済力が大きな問題となることでしょう。

そのため、子供たちが独立するまでは、と限界まで我慢を重ねるケースが多く、日々の生活でストレスが溜まり、心身を蝕んでいくケースが後を絶ちません。

 

厄介なのは、夫婦問題というものが、夫婦という閉じられた関係の中で起きる出来事なだけに、本人たち以外はその真相を把握するのが難しい、という点です。

親や近い友人に相談したとしても、事態の深刻さが伝わりにくいことが多いのです。

とにかく離婚は避けたほうがいい、と一般論で説得されるか、夫婦のどちらが問題だ、という水掛け論で終わってしまいやすいのです。

 

例えば、目に見える証拠が残らないタイプのドメスティック・バイオレンス(DV)や、モラルハラスメント(モラハラ)、不倫などは、客観的な証拠を提示することが難しいがゆえに、被害を受けた側の訴えが実際よりも軽視される傾向があります。

また、「どんな夫婦にも問題はつきものだから」と、被害者に更なる我慢を強いてしまうことも多いのです。

ある意味、当事者しか、その精神的・肉体的苦痛を知ることはできません。

また、夫婦の事情を率直に第三者に話すのは、羞恥心が伴うことでもあります。

そのため、適当な相談者を探すことが出来ないまま、一人で悶々と悩み続けるという状態に陥りやすいと言えるでしょう。

怖い仮面夫婦の実態

夫婦の問題から目を逸らして、単なる同居人、生活協同体として割り切って、愛のない結婚生活を続けている夫婦も、沢山います。

俗にいう「仮面夫婦」です。

これが案外、楽であるために、この状態に落ち着いてしまう夫婦も多いのです。

お互いに対して全く無関心となり、表向きには仲の良い夫婦を装っていますが、実は愛が冷め切ってしまっています。

これでは、夫婦の内的な機能である「愛でお互いを慈しみ、心身両面の健康と幸福感の増進をはかる」という部分を、放棄していることになります。

 

仮面夫婦は、これ以上傷つきたくない、という心理から、夫婦の両方・または片方が、相手に対して心を閉ざしている状態です。

既に、夫婦修復への情熱も消え失せて、別のところに関心や情熱を向けられるものを探し、それによって代理満足を得ています。

このような状態になると、夫婦を修復する必要性すら感じられなくなり、そのままの状態で、一生を過ごす夫婦も多いのです。

 

ただ、仮面夫婦の弊害は、子供たちに確実に表れてきます。

両親の関係に、真実性を感じ取れないため、親に対する信頼感を失い、結婚に対して希望を持てなくなってしまうのです。

たとえ頻繁に夫婦喧嘩をしたとしても、夫婦が本音で向き合い、互いへの理解を深める努力をしている方が、子供に与える影響は、ずっとマシだと言えます。

放っておいては、悪化する一方の夫婦関係

人間には適応能力があります。

工事現場の騒音も、ずっと聞いていると気にならなくなるように、夫婦の問題も習慣化すると、その状態に慣れてしまうのです。

しかし、その背後には、感覚や感情を麻痺させるというメカニズムが働いています。

脳は、ストレスを最小限に抑えるために、その状態に自分を慣らしてしまうのです。

日常的に虐待を受けている子供が、感情を麻痺させて、それが当たり前だと感じるようになってしまうように、継続するストレスの中では、人間は脳を麻痺させて生き延びようとするのです。

しかし、これは危険な状態です。

一日も早く、適切なカウンセリングや心身の治療を受けて、正常な感覚と感情を取り戻さなければなりません。

今、夫婦関係で悩んでいる方は、ご自分の考えだけで判断せずに、信頼できる夫婦専門カウンセラーを通して、ご自分の心の状態や夫婦の関係を正しく診断してみることを、強くお勧めいたします。

夫婦というものは、日常を共にする関係であるがために、幸福感と直結しています。

後悔のない豊かな人生を生きるためにも、最善の選択は何かを、慎重に探していくべきでしょう。