夫の携帯をどうしても見てしまうあなたへ

夫の浮気や風俗通いが心配で、ついつい夫の携帯を内緒で見てしまったことはありませんか?

実際、携帯に残っている女性からの着信記録や、LINEなどのやり取りから、浮気が発覚するケースが多いのも事実です。

そのため、多少の罪悪感を覚えながらも、不安になると夫の携帯をこっそり見てしまう、という方は、多いのではないでしょうか?

でもそのことで、夫婦の信頼関係に取り返しのつかないダメージを与えることもあります。

この記事を読んで、その理由を知っていただけたら、と思います。

夫の携帯を勝手に見るのは悪いこと?

夫婦の間で秘密があってはならない、と考える人も多いと思います。

また、秘密の女性関係で妻を裏切っているかもしれない夫に比べれば、携帯を見ることぐらい何でもないことだ、と正当化することもできるでしょう。

しかし、夫婦といえども、お互いのプライバシーを尊重することは大切です。

これは、子供との関係においても同じことが言えます。

子供のことが心配だから、と子供のカバンや部屋を勝手に調べたり、日記や携帯の内容を見ることは、いくら親だとしてもプライバシーを侵害する行為です。

それは子供の心に土足で踏み込む行為であり、子供は不安になり、もっと隠そうとします。

家族であっても、お互いの領域に無断で踏み込み過ぎないことが大切なのです。

夫の携帯を見ることで得られること

不安になると夫の携帯を見てしまう場合、そのことで生じるプラス面とマイナス面について考えてみましょう。

プラス面としては、夫の携帯を見ることで、夫の行動をある程度把握できる、ということです。

携帯にはGPSが搭載されていて、現在位置を知ることができるで、携帯を調べるだけで、かなりのレベルで素行調査ができてしまいます。

また、夫のクレジットカードの使用明細などを調べることで、デートやホテル、風俗などで使った費用を見つけることもできるので、離婚協議をするときの有力な証拠物として、より多くの慰謝料を請求するのに役立つことでしょう。

夫の携帯を見ることで、本当に安心できる?

このような情報は、「事実を知る」という側面においては、役に立つかもしれません。

しかしマイナス面もあります。

これらの情報を知ることで、あなた自身の不安が治まるでしょうか?

実は反対なのです。

これらの情報を知れば知るほど、夫に対する際限ない不信感が湧き、信頼することが難しくなります。

その結果、もっと夫の行動を把握しなければ気が済まなくなり、携帯を見続けたり、多額のお金を支払って、探偵を雇ったりする人も多いのです。

証拠をつかんだ上で、どうする?

様々な手段で夫の行動を把握し、浮気に関する動かぬ証拠をつかんだ上で、あなた自身がどんな目的を達成したいのかが問題になります。

まず第一に、夫に証拠を突き付けて浮気を白状させる、という目的が考えられるでしょう。

ところが、大抵の男性は、初めから素直に浮気を認めることはしません。

最後まで「浮気はしてない」と言い張ります。

すると妻は、より確かな証拠を求めて、夫の行動をさらに監視する行為をエスカレートさせていきます。

次第に夫婦の様相は、法廷での原告と被告の争いのようになっていきます。

夫を罪人と定めるまで、夫の言い逃れ VS 妻の証拠探しの、飽くなきレースが続くのです。

夫が謝ることが終わりではない

夫がついに浮気や不倫を認めたあと、次の段階に入ります。

夫にしっかり謝罪してもらい、相手の女性と完全に別れてもらう、というのが多くの妻が望むことです。

夫に謝罪させ、相手と別れるという誓約書まで書いてもらうことで、ある程度の心の平和を得ることができるかもしれません。

ところが、そうした努力は一時しのぎに過ぎず、実際は水面下で関係が続いている場合が多いのです。

ほとぼりが冷めると、また浮気相手と再会し始めたりします。

そのため妻は夫の行動が気になり出し、本当に切れたかを確認するために、また携帯を見てしまい、夫はあの手この手でそれを隠そうとする、という悪循環に陥るようになります。

こうなると、もう「イタチごっこ」になってしまいます。

あなたが受けるダメージとは?

次に考えたいのは、このことであなた自身が受ける精神的ダメージです。

証拠を突き付ければ突き付けるほど、それを素直に認めず嘘をつき続ける夫に対して、ますます不信感が高まることでしょう。

浮気をしていること自体よりも、夫が自分に嘘をつき続けている、ということの方が耐えがたく感じられるようになります。

「こんな不誠実な人だとは思わなかった…」

「私を何だと思っているんだろう?」

このような思いは、夫への信頼感を根底から揺さぶるだけでなく、あなた自身の自己肯定感を下げ、人間不信に陥ってしまう恐れさえあります。

悪いことをしているのは夫なのに、あなただけが大きく傷つくとしたら、それは実に悲しいことというしかありません。

あなたに今できることは?

夫を愛している限り、浮気されて平気な妻はいません。

ですが、夫の浮気や不倫は、本人が心から反省してやめない限り、いくら妻が無理やり謝罪させても、根絶は難しいのです。

その意味で、「これは夫の課題」とはっきりと心の中で境界線を引くことです。

そして、自分の中に夫をそのようにさせた原因があったのかもしれない、と冷静に振り返ってみることです。

男性には意外と繊細な面があります。

妻からの承認・賞賛・尊重が不足すると、心の栄養失調を起こして、家庭の外にそれを求めてしまうのです。

もし心当たることがあるならば、そこから変えていくことが、より効果的です。

参考記事:旦那さんに必要な三大栄養素を与えてますか?

最後に…

仲が良く長続きする夫婦というのは、適度な距離感を保てている夫婦です。

つまり、信頼感に基づいて、互いの自由とプライバシーを尊重できる夫婦なのです。

証拠を集めて夫の罪を暴き、二度と家庭で尊敬されないようにしてしまうことは、夫婦修復の観点からは、逆効果と言えるでしょう。

むしろ、夫の心を潤すような環境を家庭に作る努力をし、あなたの心が不安や不信に蝕まれないよう、自分自身の心のケアに神経を使うことが、より大切ではないかと思います。