指摘が多くて口うるさい旦那に、責められていると感じるとき

夫に指摘されたとき、どう感じますか?

夫婦は、もとを正せば他人です。

どんなに仲の良い夫婦でも、一緒に暮らしてみると、ぶつかることが沢山ありますよね。

時には旦那さんからキツイ口調で指摘されたり、怒られたりすることもあるでしょう。

そんな時、次のような気持ちになることはありませんか?

  • 理不尽に責められているような気がする
  • いつも怒られているように感じる
  • 自分の事情をわかってもらっていないと感じる
  • 夫に愛されていないと感じる
  • 自分の存在を否定されたように感じる
  • 自分はダメな妻、ダメな母親だと自己嫌悪に陥る
  • 夫に対して怒りが湧いてくる
  • 何もかにも嫌になって「離婚」という言葉を使ってしまう

もし、2つ以上当てはまるものがあるとしたら、この記事がきっとあなたのお役に立つことでしょう。

夫が指摘する理由と、妻が感じること

誰だって、指摘されるのは苦手です。

特に、旦那さんから次のような言い方をされると、どうでしょう?

 

「お前っていつも○○するよな」

「○○するなって、何度言ってもわからないのか」

「○○するの、やめてくれる? 超ムカつくから」

「そういう所がよくないんだよ」

 

旦那さんが、怒りやイライラ・軽蔑に満ちた表情で、このような言葉を使うと、攻撃された気がするだけでなく、人格まで否定された感じがしますよね。

ここであなたもムカッときて反撃すれば、夫婦喧嘩になりますし、自分を責めてしまうと自信がなくなり、自己肯定感がどんどん下がってしまいます。

あなたの中で起きていること

夫から指摘された時に、妻の中で起りやすい思考の流れをまとめてみましょう。

それには、大きく分けて反撃モード・回避モード・自己否定モードがあります。

簡単に説明すると次のようになります。

①反撃モードの思考の流れ

夫から指摘された → 夫から責められた → なぜ私が責められなければならないの? → 私が悪いわけではないのに理不尽だ! → 怒りが湧く

②回避モードの思考の流れ

夫から指摘された → 夫から責められた → 不安になる → 怖い!ケンカを避けなければ! → 回避行動(黙りこむ・その場を立ち去る・表面だけ合わせる)

③自己否定モードの思考の流れ

夫から指摘された → 夫から責められた → こんな自分はダメで愛されない → 落ち込む

では一つ一つ見てみましょう。

あなたの中で爬虫類脳のスイッチが入るとき

私たちは「責められた」と感じると防衛的になります。

自分を守ることで精一杯になり、相手の気持を思いやる余裕を失ってしまいます。

この状態を爬虫類脳モードと言います。

人間の脳には、未だに進化の過程そのままの原始的な部分が残っています。

爬虫類脳は「本能脳」とも言われ、危機を感じた瞬間「闘争か、逃走か」を瞬時に判断する部分です。

①反撃モード

爬虫類脳が闘争を選ぶと、相手に反撃するために攻撃的になります。

それを受けて、相手も爬虫類脳モードとなりますから、結果として夫婦喧嘩が起るしかありません。

爬虫類脳モードとなっている時は、論理的・客観的思考をする人間脳の機能はシャットダウンしてしまい、文字通り停電状態になってしまいます。

そのため、日頃知的で思いやりのある人でも、夫婦喧嘩の最中は理性を失い、とても攻撃的になることがあります。

②回避モード

危機が迫ってきた時、爬虫類脳が逃走を選ぶと、戦いを避けるためにとにかくその場から逃げたり、無条件相手に降伏することで、緊張状態から逃れようとします。

夫婦喧嘩を回避できるという面では良いかもしれませんが、夫の要求に本当の意味で向き合っているわけではないので、根本的解決にはなりません。

また、自分の感情を常に押し殺していると、あなたの心の中に不満がどんどん溜まり、ある時それが限界を超えて夫が大キライになってしまうことがあります。

実はこれが、熟年離婚の原因となることが多いのです。

従順だと思っていた妻が、ある日突然去ってしまうのは、口に出さないまま長年の不満が溜まっていたから、と言えるでしょう。

③自己否定モード

自己否定モードの人は、夫から指摘されると、自分が否定されたと捉えてしまいがちです。

「自分はダメだ、こんな自分は愛されない」と感じてしまうのです。

これは、爬虫類脳よりも旧哺乳類脳に起因した、過去の体験に根差した反応と言えます。

夫にはそんな意図が全くなくても、本人が無意識のうちに、夫の言葉・表情・口調などから自己否定のメッセージを受け取ってしまうのです。

「愛されていない」とか「自分の存在を否定されている」と感じると、悲しくなりますよね。

自分自身が悲しみに囚われてしまうと、相手目線で考えることができなくなります。

そのため、旦那さんがあなたの行動や態度のどんな部分に葛藤していて、それを直してほしいと思っているのか、ということに目を向けられなくなるのです。

夫が指摘するのは妻の○○を変えてほしいから

夫が妻に何か指摘するとき、それは単純に妻の行動(Doing)を変えてほしいからです。

これは、妻の在り方(Being)そのものを否定しているのではありません。

男性は本来、目的志向ですから、妻が行動を変えてくれさえすれば、目的が達成されたと感じ、それで満足するのです。

ところが、何回か指摘しても妻に聞き入れられなかったり、妻の行動が改善されないと、夫はだんだんイライラしてきます。

すると、妻のイヤな行動を見るたびに、夫はストレスを感じ、次第に攻撃モードになっていきます。

動物は獲物を取り合ったり、なわばり争いをするときに、お互いに威嚇し合いますよね。

威嚇というのは、唸り声をあげたり攻撃的な態度を見せることで、「オレはお前より強いんだぞ。痛い目に遭いたくなければ、オレの言うことを聞け」というメッセージを伝えて、相手を従わせようとする行為です。

男性はオスの側面が強いですから、男性同士のコミュニケーションでも、よくこれを使います。

さて、夫が妻を威嚇するとき、夫が求めているは、妻が夫の言うことを聞くことです。

ですから、「わかりました」と言って、夫が指摘した行動(Doing)を直せば、夫はそれ以上威嚇する必要がなくなるのです。

納得がいかない時は、後でしっかり気持を伝える

時には、夫からの指摘が理にかなっていないと感じることや、到底納得がいかないこともあるでしょう。

そういう時まで素直に従う必要があるの?という疑問も出て来ますよね。

もちろん、無条件従うのではなく、あなたの考えや気持を率直に伝えることも大切です。

でも、相手があなたの行動にストレスを受けて、イライラしながら指摘してくるときには、いったん相手の言うことを受け容れて、その場ではぶつからない方が賢いと言えるでしょう。

だからと言って、そのまま放って置いては、あなたの中に不満が溜まりますし、あなたの思いが旦那さんに伝わりません。

旦那さんの機嫌が悪くない時に、冷静に言うべきことを伝えるのが最も効果的です。

「実はね…こないだのことなんだけど、私はこんなふうに感じたの」と静かに切り出していきます。

怒りを溜めた状態で「あなたはあの時○○したわね」と相手を責める調子で感情的に言わないようにしましょう。

そうすると、一気に相手の爬虫類脳が作動して、闘争モードになってしまいます。

最後に…

夫婦は考え方や捉え方に差があって当然です。

一緒に生活してみると、相手の態度や行動の細かい部分に葛藤することもよくあります。

旦那さんからの指摘は、あなたを責めたり否定しているのではなく、旦那さん自身があなたとより快適に暮らすために必要としていることなのです。

本当にキライな相手には、そのような要求などせずに、心を閉ざして離れていくことでしょう。

自分の気持ちも尊重し、同時に相手の気持ちも尊重する。

そんな成熟した夫婦のコミュニケーションをしていきたいものですね。