オトコの攻撃性とうまく付き合う
男をオトコたらしめるもの ー テストステロン
オトコはなぜ、すぐに怒ったり暴言を吐いたりするのでしょう?
それは男性というものが、女性よりはるかに戦闘向きに作られているからです。
男性を男性足らしめているものに、テストステロンと呼ばれる男性ホルモンがあります。
これは女性にもありますが、胎児の時テストステロンにどれほど晒されたかによって、女性になるか男性になるかが決まります。
面白いことに、性の基本形は女性型ですが、大量のテストステロンを浴びることによって、胎児は男性としての発達を遂げるのです。
この時、テストステロンの量が不十分だと、完全な男性になり切れず、体は男性型であっても、脳は女性型ということになります。
こうした人たちは、心は女性なのに体が男性であるということに違和感を感じるようになり、トランスジェンダーとしての生き方を選ぶこともあります。
女性を惹きつけるフェロモンとしても
テストステロンは、男らしい骨格や筋肉質の体を形成すると同時に、精神面でも次のような男性的な特徴を与えます。
- 短気で怒りっぽい
- 決断力に富む
- 冒険好き
- 意欲的で前向き
筋力トレーニングはテストステロンの分泌を高めるのに効果がありますが、それ以外にも、戦いや冒険、浮気など、攻撃的でスリルに富んだ行為によって、血液中のテストステロンの濃度が一気に増えることが知られています。
テストステロンには、異性を引き付けるフェロモンとして働きもあります。
女性にとっては、テストステロンの分泌が盛んな男性は、男らしく魅力的に見えます。
女性の中のメスとして本能は、強いオスから遺伝子をもらい優秀な子供を産むために、テストステロンの多そうな男性に近づこうします。
優しいだけの男性よりも、ちょっと危険で強引なオトコに魅力を感じてしまうのは、生物学的な理由があったのです。
オトコの脳をハイジャックするテストステロンの脅威
ところが、このテストステロン、いいことばかりではありません。
多すぎるテストステロンは、男性に過剰な攻撃性を与え、実際に暴力的な犯罪を犯す確率が高くなります。
また孤独願望が高まり、一人で引きこもるようになります。
テストステロンの暴走をコントロールできなくなると、男性は自分の大切なものを傷つけてしまうこともあります。
突然カッとなって暴力的になったり、性欲をコントロールできずに不倫に夢中になったりなどは、テストステロンに脳をハイジャックされたために起こる悲劇だと言えます。
しかもスリルを感じれば感じるほど、テストステロンの分泌が促され、ますますのめりこんでいきます。
よく、「不倫をした旦那さんを責めたら、逆ギレされた」という話を聞きますが、これはまさにテストステロンに理性を乗っ取られた状態。
このようにテストステロンは、オトコの魅力を高めるとともに、暴走すると人生をダメにしてしまう危険性もはらんでいるのです。
一方女性は、テストステロンの分泌が少なく、安定志向です。
優秀な子孫を繁殖するというDNAの目的性から見たとき、女性は性欲旺盛で強い男性を求める半面、妊娠や育児で身動き取れない自分を保護してくれる家庭的で優しい男性を好みます。
ところが、両方を満たしてくれる男性は、なかなかいません。
テストステロンが多く精力旺盛な男性は、好きな女性をものにするまでは積極的ですが、いざ家庭を持つと、刺激を求めて浮気や不倫に走ったり、暴言・暴力で妻を傷つけてしまうことがあります。
また、一見おとなしく家庭向きな男性が、突然魔がさしたように突拍子もないことを始めたり、不倫に走ったりすることがありますが、これは第二の思春期と呼ばれ、ホルモンの変化が起こる40代くらいに起こる可能性が高いと言います。
テストステロンをコントロールするために夫婦ができること
本当にデキた男というのは、テストステロンの暴走を理性でコントロールできる男性です。
仕事や外での人間関係の中で、男性はテストステロンの手綱をうまく取る必要があります。
ところが、ホルモンの作用に理性の力で打ち勝つというのは、容易なことではありません。
テストステロンの作用は、言わば、鎖につながれたオオカミのようなもの。
オオカミが鎖を引きちぎらんばかりの勢いで暴れまわるのを、飼い主である理性が、鎖を取られまい、と必死でコントロールしている姿を思い浮かべてみましょう。
男性は、テストステロンの暴走を防ぐのに、かなりの精神エネルギーを消耗しています。
その分、家に帰ったら脳をオフ状態にして、ひたすらリラックスする必要があるのです。
家に帰った夫に、妻が小言を言ったりすると、それまで抑え込んでいたテストステロンの攻撃性が一気に爆発し、暴言・暴力・浮気・不倫などとして表れてしまうことがあります。
それを避けるためには、次のことを気を付けてみましょう。
- 小言や不平はなるべく言わないようにする。
- 頼みたいことは、単刀直入にはっきり伝える。
- 夫がのんびりくつろいでいるときは、なるべく邪魔しない。
- 多少の無神経さ、乱雑さ、乱暴さには目をつぶる。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
男性に男らしい魅力を与えるテストステロン。
でも、その攻撃性が家族に向けられると、様々な悲劇が起こります。
まさに両刃の剣のテストステロン。
これを理解することで、旦那さんの行動をもっと理解できるようになります。