不安定愛着とインナーチャイルド
夫婦関係で、自分らしくいられないとおっしゃる方のなかには、愛着障害を抱えている方が多くいらっしゃいます。
まずは、ご自分の心に、次の質問をしてみてください。
• あなたは旦那様の前で自然体でいられない、と感じますか?
• 相手の顔色をすごく気にしてしまって、気疲れしていませんか?
• 言いたいことを言ったら見捨てられるのではないか、と 不安に思うことがありますか?
• 対立するのがイヤで、自分の気持ちを押し殺してでも、 いつも相手に合わせてしまう方ですか?
• 困った時、夫に助けを求めたくても、 拒絶されるのではないかと不安になり、言い出しにくいですか?
• 夫に何かをお願いするとき、自分の言い方がぎこちないために 相手を苛立たせてしまったり、本当に言いたいことを切り出せなかったことが多いですか?
この質問の半分以上にYesと答えられた方は、「不安定愛着型」かもしれません。
あなたの旦那様との関係のパターンを左右しているのが、 幼い頃に形成された「愛着型」です。
赤ちゃんの頃に親、特に母親から十分に愛され、 抱っこなどのスキンシップを受けて育った子供は、 親との間に安定した愛着の絆を結ぶことができ、成長してからも「この世界は安全な場所で、自分が助けを求めたら助けてくれる」 という世界や他人に対する基本的な信頼感を持つことが出来ます。
一方、親から十分な愛情やスキンシップを注がれなかったり、親が精神不安定やネグレクトなどの場合、 子供との愛着は不安定型となり、成長しても「この世界は安全ではなく、自分が助けを求めても誰も助けてくれない」という 基本的な不信感を持つようになります。
つまり、赤ちゃんの頃の親との関係によって、 世界や他の人たちに対する 基本的安心感や基本的信頼感が形作られるのです。
これが、心の中の愛情タンクの入り口を広くするか 狭くするかを決めてしまうんですね。
基本的信頼感を持つ人は、愛情タンクの入り口が広く、 人からの愛情を受け取りやすくなるのですが、基本的信頼感を持てない人は、愛情タンクの入り口が狭くなり、 人からの愛情を受け取りにくい体質、「愛され下手」になってしまうのです。
「愛され下手」の人は、人に自分の弱い部分を見せることが出来なかったり、気軽に頼んだりすることが苦手なため、 愛を受ける機会を自ら減らしてしまいます。
「いつもいい子でなければ愛されない」 という思い込みが根底にあって、相手が少しでも不機嫌だと、自分のせいなのでは?と不安になり、人前で自然体で振る舞えず、常に気を遣って疲れを感じます。
現代では実に三人に一人が、不安定型の愛着スタイルをもち、 対人関係において生きづらさを感じていると言われます。
また夫婦のどちらかが不安低愛着を抱えている確率は、50パーセントにも及びます。
夫婦のどちらか一方が不安定愛着型だとしても、 相手が安定愛着型ならば、上手くいく確率は多いのですが、二人とも不安定愛着の場合は、トラブルが生じやすくなります。
自分が不安定愛着だな、と思われる方にぜひ受けてほしいのが、 「インナーチャイルドの癒しのワーク」です。
幼い頃、主に親との関係の中で傷ついた子供のままの心が、 大人になっても潜在意識の中に
「インナーチャイルド」として生き続けています。
まずは、あなたの心の中に忘れられそうになっている子供の頃の様々な記憶を思い出すままに語ってもらいます。
カウンセラーが共感を持って受け止めることによって、クライアントさまのインナーチャイルドから 芋づる式に過去の思い出がどんどん出てきます。
まだ一度も言葉で表現したことがなく、 悲しみや怒りのような強い感情に包まれたまま、 心の底に膿のようにたまっていた記憶をひとつひとつたどり、インナーチャイルドの思いを表現することによって、たまっていた膿を外に吐き出すのです。
信頼できるカウンセラーのような、自分を丸ごと受け止めてくれる存在に、それをしっかり受け止めてもらうことが大切です。
今まで、あなた自身にも気付かれずに、ひとり寂しくて泣き続けてきた小さなあなたを、心から抱きしめて癒してあげましょう。
そしてこう言ってあげてください。
「xxちゃん、もうあなたは一人じゃないんだよ」
「これからは、私がいつもそばにいるからね」
「私はいつだって、あなたの味方だということを、忘れないでね」
不思議なことに、インナーチャイルドの存在に気付き、その声に耳を傾けるようになると。あなたの中の愛情タンクが、だんだん満たされていきます。
心が折れそうな時、湧き上がる怒りを抑えられない時、深く傷ついた時は、一人の時間を持って、
自分のインナーチャイルドと対話する時間を持ってみてください。
あなたからの愛を受けて、チャイルドが明るく微笑む時、あなたの内面が癒されていくのを感じることでしょう。