夫の浮気が心配で不安が止まらないとき
今まで夫のことを信じてきたのに、ある日突然、夫の携帯に見知らぬ女性からの着信が…。
その瞬間、夫に対する信頼が、ガラガラと音を立てて崩れ去り、あなたの心は、不安が創り出す様々な想像によって苦しめられます。
この記事では、不安を鎮めて心の平安を取り戻す方法について書いていきたいと思います。
不安になる理由
不安とは何でしょうか?
広辞苑には、「安心のできないこと。気がかりなさま。心配。不安心。」という定義があります。
つまり、不安とは「安心」を感じられない状態であり、あることに心が引っ掛かっている(執着している)状態、と言えそうです。
ではなぜ人間は不安になるのでしょうか?
私たちは未来に自分が望んでいないことが起こるのではないか? あるいは、自分の知らないところで、既に起こっているのではないか?と思うと、不安になります。
例えば、次のような思考です。
夫が隠れて浮気しているかも…
このままだと、離婚になるかも…
このままずっと子供ができないかも…
いつか会社を首になるかも…
家族に癌患者が多いから、自分もなるかも…
このように、不安は、悲観的な予測をするときに起こります。
そこに確固たる根拠がある・ないにかかわらず、とにかくあなた自身が「~なるかも…」と考え始めたときから、不安は雪だるま式に大きくなっていくのです。
不安の持つ良い面
不安は、人間が未来を予測して、それに対して準備していけるように備わった心の機能です。
収入減がなくなり、貯金もゼロなのに、まったく危機感を感じないのであれば、その人はポジティブな人というより、現実が見えてない人、ということになります。
不安を感じることで、人はその問題にフォーカスし、問題解決に動きます。
適度な不安は、人を未来への準備に駆り立て、将来望まないことが起こったときの打撃を最小限に食い止めるために役立ちます。
例えば、飛行機に乗ると初めに聞かされることは、故障や不時着など、不具合が起きた時を想定しての、酸素マスクや救命ベストの使い方です。
もちろん、そんな事態が起きないに越したことはありませんが、「備えあれば憂いなし」で、最悪に備えることは大切なことです。
その意味で、不安は一概に悪いものとは言えません。
不安が及ぼす害
ところが、不安があなたの生活に害を及ぼすことがあります。
それは、不安がどんどん独り歩きして、あなたの心を乗っ取ってしまう場合です。
想像力がありすぎると、最も願わないことが、あたかも現実に起こっているかのようにイメージ化してしまいます。
夫の携帯に残った女性の着信から、その女性と夫が楽しそうにイチャついている姿や、それを見て絶望に陥る自分の姿などが、臨場感を持って心に描き出されます。
脳は、想像の中で見えていることと、現実の区別がよくつきません。
だんだんそれが実際に起こっているかのような錯覚にとらわれるのです。
このような悪い想像は、さらなる不安と恐怖を掻き立て、夜も眠れなくなり食欲もなくなるなど、身体症状にまで発展していきます。
ひどくなると、問題解決しようとするポジティブな心の動きさえも止まってしまい、不安のループの中で、無力感と絶望感に苛まれるという結果になってしまいます。
不安脳は「証拠集め」が好き
クライアントさんの中には、「もちろん、夫を信じて安心したいと思っています…。でも、次から次へと浮気を裏付けるようなことが起こってくるんです…」と言われる方が多くいます。
最初は女性からの着信を発見したが、数日後には、ニヤニヤしながら誰かとチャットしてる夫の姿を見た。
そしてまた数日後には、夫の背広のポケットから、高級レストランの領収書が出てきた…
このような一連の出来事は、「夫の浮気」という事実を証明するための証拠として、妻の脳の中で位置づけられます。
まるで、昔の人が星と星をつないで、星座という意味のあるものを見出したように、たとえ無関係の点であったとしても、そこに架空の線を引き、意味を持たせるのが脳の働きなのです。
イメージに振り回される
不安から論理思考ができなくなった不安脳は、イメージに大きく左右されます。
事実そのものよりも、自分がそこに持たせた意味や、自分の想像力が生んださまざまなイメージに影響を受けます。
そこにあるのは、最悪の状況や途方に暮れた自分、というイメージだったりします。
イメージというのは、論理的思考をする脳の部分よりも、イメージ・暗示・シンボルなどに反応する部分を活性化させます。
そのため、実は無関係な出来事にまで意味を持たせたり、何かの暗示のようにとらえてしまうのです。
その根底には、あなたが小さいころから持ち続けてきた思い込みや、恐怖を伴うイメージがあるかもしれません。
不安を鎮め、冷静な自分を取り戻すには?
不安脳に乗っ取られて思考停止に陥った理性脳を活性化させるには、どうしたらよいのでしょうか?
まず、現実をしっかり見つめることが大切です。
何が現実に起こったことで、何が自分が想像していることかを、きっちり区別するのです。
これには、紙に書き出すという方法が有効です。
次のような順序で、思考をまとめていきましょう。
①不安材料を書き出す
自分が何に不安を感じているかを、紙に書き出してみます。
例えば、夫に捨てられる・離婚になって生活が立ち行かない・子供に悪影響を与える…などです。
その中でも、自分を最も苦しめている不安は何かを考えてみます。
②現実として起こっていることを書き出す
次に、実際に起こった事実だけを箇条書きにします。
先程の例でいえば、
- 夫のケータイに女性からの着信があった
- 夫が誰かとニヤニヤしながらチャットしてた
- 夫のポケットから高級レストランの領収書が出てきた
などのように書き出していきます。
③事実から考えられる他の可能性を考える
②で書きだした内容について、今あなたが思い込んでいるシナリオとは全く違う可能性について考えてみましょう。
たとえば、「見知らぬ女性からの着信」は、「女性の同僚からの単なる事務的連絡かもしれない」などのようにです。
同じように、他にも考えられる可能性について、どんどん書いていきます。
自分の思い込みとは違う可能性を考えれば考えるほど、夫の浮気を決めつけるには証拠が不十分である、という結論にいたることでしょう。
④あなたが最も恐れているシナリオの結末とは?
次に、あなたが最も避けたい未来へのシナリオについて考えてみます。
例えばそれが次のようなものだったとします。
夫が浮気している
↓
夫はその女性に夢中で、私への愛などなくなっている
↓
私は捨てられ、離婚となる
このシナリオの結末で、あなたが最も恐れていることは何でしょうか?
ある人は、自分が捨てられることであるかもしれませんし、別の人は、離婚して生活が立ち行かなくなることかもしれません。
⑤以前からあった恐怖に気づく
④で浮上してきた恐怖は、実はあなたの中にもともとあったものなのです。
人は、過去に味わった辛い感情を避けようとして、未来への悲観的予測を強めます。
あなたの中に、過去に親や親しい人から見捨てられたと感じる経験があれば、夫から見捨てられるという恐怖が、何よりも不安を掻き立てるのです。
不安の正体を知り、現実的に対処する
「幽霊の正体見たり枯れ尾花」という諺(ことわざ)があります。
幽霊だと思って怖れていたものが、よく見たら枯れたススキの穂だったという意味です。
このように、不安の正体が見えないうちは、より恐怖心が募っていきます。
自分が本当は何を怖がっていたのかを、しっかりと知ることによって、現実をより客観的に見ることができるようになります。
不安とは、今のあなたに、危険を回避し準備するように、と伝える警告でもあります。
不安自体に飲み込まれるのではなく、最悪の事態を回避するために、今自分にできることは何なのかに焦点を当てていきましょう。