不倫されてからの修復~5つのステップ
配偶者に不倫された後の傷は深いものです。
それは一種の愛着のはく奪体験であり、心に深い傷を残します。
時に、その苦しさから逃れるために、私たちは自分の心に嘘をつき、関係自体に終止符を打とうとすることがあります。
しかし、それは一種の逃避に過ぎません。
ここでは、愛の傷を乗り越え、本当の意味で夫婦の絆を再構築していくことについて考えてみましょう。
不倫されたことによる心の傷
まず、不倫ということがもたらす傷が、どれほど大きいかについて書いてみたいと思います。
不倫された側にとっては、それは文字通り、心に重傷を負ったことと同じです。
あなたが大事故に遭って、再起不能なほどの重症を負った場合を想像してみてください。
不倫のもたらす心の傷は、それに匹敵するのです。
その傷を癒すためには長い年月を費やさねばならず、完全には元のように戻れない場合もあります。
不倫した側が背負う苦しみ
不倫した側にも傷が残ります。
不倫した側の心には、永遠に消えない罪の刻印が押されることになります。
それはどんなに感じないようにしようとしても、その人に一生つきまとう影のようなものです。
不倫した側が、自分の罪を正当化しようとして、様々な言い訳をしたり、「自分が不倫したのは妻(夫)から愛を感じられなかったためだ」と逆に配偶者のせいにするのは、罪悪感による本心の疼きから目を背けるためです。
中には、自分の心に向き合うのが怖くて、エンドレスの不倫を繰り返すことで、罪悪感から目を背けようとする人もいます。
つまり、不倫した側も、された側も、どちらも大きな傷を背負って、その後の人生を歩まなければならないのです。
不倫した側が離婚したがる本当の理由
不倫した側は、自分を正当化するために、配偶者を否定したリ攻撃することがあります。
「もう君のことは嫌いになった。愛のかけらも感じない」と言って、離婚を急ごうとします。
たとえ妻が、不倫した夫を完全に許して関係を修復することを望んでいるとしても、夫は一生「罪人としてのレッテル」を貼られて生きることを恐れて、むしろ一刻も早く離婚したいと考えます。
また、妻を諦めさせるためにありとあらゆる手段を使います。
「もう妻に対する愛がなくなった」
「ずっと前から妻が嫌いだった」
「自分の離婚に対する決心は固く、決して変わらない」
「もう二度と以前のようには妻を愛せない」
不倫した側が口にする、これらの言葉はすべて、罪悪感から目を背けるために、自分を正当化するための後付けの理由です。
そうでなければ、妻の顔を見るたびに自分の罪を想起させられ、自分の犯した罪と罰を受け容れる、という非常に重い課題に取り組まなくてはならなくなるからです。
では、このような状況から、どのような姿勢で夫婦修復に取り組んでいけばよいのでしょうか?
不倫からの修復の5つのステップ
①自分の傷を直視する
まずあなたがしなければならないことは、不倫されたことによって生じた心の傷に向き合うことです。
あなたが夫を愛していればいるほど、夫の不倫はあなたに、とてつもない傷を与えたことでしょう。
その悲しみや失望は、向き合うには辛すぎる感情なので、自分をこんな目に遭わせた夫やその不倫相手に感情の矛先を向けて、怒りや恨みを抱くようになります。
つまり、怒りや恨みは、自分の傷から目を背けるための、すり替えられた感情なのです。
悲しみを怒りや恨みに置き換えて、その矛先を夫や不倫相手の女性に向けることで、あなたの感情は行き場を得て、少しは楽になるかもしれません。
でも、自分の本当の気持ちに向き合わない限りは、怒りをどんなに発散させても、本当の意味での癒しとはならないのです。
②あなたの願いを明白にする
怒りや恨みがエスカレートすると、自分の受けた痛みを相手にも思い知らせてやりたい、と相手を罰したり復讐したい気持が出てきます。
でも、あなたが本当に夫婦修復を願うなら、これは避ける方が賢明です。
なぜなら不倫した側は、あなたの怒りを見て、「もう決して許されることはない」と感じ、家庭に戻ることを諦めてしまうからです。
それどころか、あなたからの反撃を恐れてあなたを敵と見なすようになるでしょう。
あなたが本当に願っていることは、夫を罰することではなく、夫との愛を取り戻すことである、ということを忘れないでください。
③自分の気持ちを率直に伝える
不倫した夫に、あなたがどれほど深い傷を負ったかを、率直に伝えていいのです。
どれほど辛く悲しかったかを深刻に伝えることで、夫は自分が軽い気持ちでしたことが、いかに深い傷をあなたに与えたかに気づき、あなたにとって自分が大切な存在であったことを再確認することでしょう。
自分は妻からそれほど愛されていないのではないか、と思ったために、不倫に走る場合も多いのです。
④気持ちを伝えた後は普通に接する
でも、一度しっかりとあなたの悲しみを相手に伝えたあとは、普通どおりに接することです。
人は毎回過去の過ちを責められ、相手の悲しみを見せつけられると、次第に反省心が薄まり、怒りが湧いてきます。
不倫された悲しみを相手に伝えた後は、その傷を自分自身で癒していく努力をしましょう。
いつまでも傷を癒そうとせず、逆に相手を責め続けることで、自分の心の癒しを得ようと考えていると、相手はだんだん苦しくなり、あなたから逃げ出したくなってしまいます。
⑤嫌われることを怖れずに、愛を与える
不倫した相手に対して、愛を与えるということは、そう簡単ではありません。
愛の傷を負ったのはあなたの方なのに、どうして自分がそこまでの犠牲を払わなければならないのだろう、とむしろ離婚したい気持になるときもあるでしょう。
まして、相手がまだ不倫相手と切れていない状態なら、なおさらです。
でも、破綻した信頼関係を取り戻すには、愛の投入が不可欠なのです。
この時大切なのは、あなた自身が夫(妻)から嫌われることを怖れないことです。
あなたの中に、嫌われることへの恐れがあると、あなたの夫(妻)に対する態度は、壊れ物に触るような緊張感の伴うものとなったり、無条件相手の言いなりになるような不自然なものになってしまいます。
夫から離婚を迫られて、それを受け容れないとますます嫌われる、と怖れれば、あなたは離婚を受け容れるしかありません。
しかしこれは、相手への愛を動機としているのではなく、あなた自身がこれ以上嫌われることが怖くて、無理やり相手に合わせているにすぎないのです。
相手に真剣にかかわっていこうとするならば、関係を終わらせようする相手に対して、あっさり引いたり諦めたりはしないことでしょう。
本当の愛は、嫌われることや拒絶されることを怖れずに、あなたの誠実な思いを相手に伝え続けていくことです。
決して簡単ではありませんが、このような愛を投入し続ける時、あなたの誠意が相手に伝わっていくのです。
その時こそ、あなたは以前にも増して深い絆で結ばれた夫婦関係を手に入れることでしょう。