男が一度離婚を決意すると撤回しずらいワケ

男性脳は目的中心型

男性の行動には、目的性があります。

女性が関係中心・環境順応型であるのに対して、男性は目的中心・問題解決型です。

男性が仕事やスポーツ、ゲームに没頭しやすいのは、そこに、「しなければならない課題(タスク)」と「ゴール(達成するべき目標)」があるからです。

そんな男性にとって、離婚が一つの目的となってしまうと、男性はそれを達成するためにあらゆる手段を動員してきます。

引き留める妻に対して、「もう愛していない」と言って諦めさせようとしたり、攻撃的姿勢を見せることもあります。

妻が同意しない時には、弁護士などを雇って離婚を成立させようとします。

離婚を宣言された妻は、夫と和解しようと謝罪したり、尽くすことで、何とか夫の気持ちを変えようと努力します。

しかし、ここであまりにも妻が強く出ると、「妻によってコントロールされたくない」という思いが出て来ます。

夫に対抗して弁護士を雇い法的戦いに持ち込むと、これは完全にパワーゲームとなってしまい、たとえ妻が勝利を収めても、夫はプライドを潰されたと感じ、二度と以前のような関係には戻れないかもしれません。

力関係で妻に負けて、ひねくれてしまうと、男性は扱いづらくなります。

夫の気持ちをいったんは受け止める

では、どうしたらよいのでしょうか?

夫が離婚したいと思っている気持ちを、いったんは受け止めてみましょう。

でも、妻が自分の主張もせずに黙って夫の言うなりになるのは、正しい対処法ではありません。

夫と妻は平等な権利があるということを忘れないでください。

多くの場合、妻はこれ以上夫に嫌われることを怖れて、自分の意見を主張しません。

また、「夫の好きにさせることが夫を愛することなのだ」と思い込んで、言うなりになることもあります。

夫の判断が必ずしも正しいとは限りません。

夫婦が対等な関係として、納得がいくまで話し合うことが大切です。

アサーティブな会話法で納得いくまで対話を

ここで願われるのは、アサーティブな姿勢です。

アサーティブとは、自分の気持ちをまず自分自身がしっかり把握し、次にそれを感情的にならずに、はっきりと率直に相手に伝えることです。

また、相手の感情や考えについても、壁を作らずにそのまま受け入れ、相手の立場に立って理解しようとする姿勢のことです。

相手の考えが自分の考えと違ったとしても、それを批判・非難するのではなく、いったんは受け止めていきましょう。

それは、必ずしも相手の考えに同意するという意味ではありません。

お互い違った意見や感じ方を持っているのは当然のことで、自分の考えや思いを率直に表現し、また相手の考えを尊重することで、お互いが妥協できる点を見つけていこうとするのが、アサーティブ・コミュニケーションです。

夫が本当は求めていることとは?

話し合いを通して、夫が離婚を主張する背後には、本当はどのような願望があるのかについて理解を深めていきましょう。

例えば、夫が家庭からくるストレスから逃れたいのであれば、何がストレスになっていたのか、それがどれくらいの苦痛を夫に与えていたかについて、夫の立場で理解してみるのです。

それに向き合わなければ、一時的に離婚は免れたとしても、また同じ問題が持ち上がってくることでしょう。

いずれの場合も、男性の離婚理由の根底には、妻を幸せに出来ていない自分自身に対する挫折感と、男としての自己肯定感の低さあるように思います。

 

結婚というのは永遠をかけた約束です。

結婚という約束を全うできなかった男たちはまた、離婚という約束に対しても、いつか自信がなくなるかもしれません。

離婚という目的を果たした後の、束の間の達成感と解放感を味わった後には、孤独感と空虚感が待ち受けていることでしょう。

それを回避するためにも、離婚を決定する前に、離婚したい夫のホンネとしっかり向き合っていくことが、大切ではないでしょうか。