「夫が嫌い」なのは、あなたの中の固定化されたイメージのため
好き嫌いを決めているのは、あなた自身の主観
恋愛時代は魅力的で、大好きだった旦那さま。
ところが時間が経つと共に「ダンナのやることなすことが気に入らない」「旦那が嫌いになった」という声をよくお聞きします。
これは、旦那さんがすっかり変わってしまったためでしょうか?
そもそも、人間の好き嫌いの感覚は、どこから来るのでしょうか?
私たちが「この人は好き」「あの人はキライ」という感覚は主観とよばれ、客観性を欠いています。
どんな悪人にも、一つや二つは長所があるものですから、100パーセント嫌いとは言い切れないはずです。
正確に表現するなら、「この人のこういう部分はイヤだけど、別の部分は好き」と言うのが正しいのではないでしょうか?
ところが、「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」という言葉があるように、ある人を嫌いになると、その人にまつわる全てのことが嫌いになってしまう傾向があります。
現実を見ているようで、実はイメージを見ている私たち
「夫が大キライ」という人に「どういう部分が嫌いですか」と訊ねると、「こういう部分がイヤ」「ああいう部分がキライ」と、細かいところまで沢山出てきます。
ところが、「では好きな部分は何ですか? 一つくらいはあるでしょう?」と聞くと、「う~ん…」と、言葉に詰まってしまうことが多いんですね。
「夫が嫌い」と感じさせているのは、実はあなたの心の中にある旦那さまのイメージなのです。
ある女性は、夫の顔を思い浮かべると、目を三角にして真っ赤になって怒っている顔が浮かぶと言い、別の女性は、不機嫌で眉間にシワを寄せた顔が浮かぶと言います。
彼女たちは、夫を考える度に、まずこのイメージから頭に浮かべます。
その瞬間、それに付随する様々な記憶が、潜在意識の中で呼び覚まされます。
不機嫌になった夫は、声をかけても返事もしてくれず、寂しかった…
激怒した夫に腕を強く掴まれ、もう少しで殴られるかと思ってとても怖かった…
イメージによって呼び覚まされた過去の記憶とネガティブな感情が、あなたの中に再生されるのです。
例えばリンゴを例に取ってみましょう。
リンゴを初めて食べた時、そのおいしさに感動した人は、リンゴを見る度に、その爽やかな甘みと酸味が心に広がるでしょう。
愛する人とリンゴをおいしく食べた経験があるならば、リンゴを見ることで、その時感じた愛を鮮明に思い出し、優しい気持ちになれることでしょう。
ところが、リンゴにまつわる嫌な思い出がある人は、リンゴのイメージを思い浮かべるだけで、嫌な気持ちになります。
リンゴ自体は善でもなく悪でもありません。
ところが、それにまつわる過去の体験の記憶が、リンゴを愛すべきものにもし、憎むべきものにもしてしまうのです。
潜在意識の中のイメージを変え、望む現実を引き寄せる
夫を嫌いになった人の心の中には、固定された夫のイメージがあり、ネガティブな感情と結びついた記憶を内包しています。
今、ここにいる夫の顔を見ているようでありながら、実は心の中に既にある夫のイメージを引き出してきて、それを見ているのです。
さらに、そのイメージと同じ表情ばかりを選択的に感じ取り、イメージを更に強く自分に焼き付ける、ということを繰り返しています。
たまに、夫の優しい顔を見たとしても、それが自分の中の夫のイメージと合わないために、受け付けない、信じない、という体質になっていくのです。
そうやって「夫は常に不機嫌」というレッテルを貼ってしまい、せっせと潜在意識の中の不機嫌な夫のイメージを強める作業をし続けているわけです。
やがて、あなたの心の中にある夫のイメージは、潜在意識の働きによって、現実化していくこととなります。
潜在意識は、あなたが持っているイメージ通りの夫を創造していきます。
表向きだけ繕っても、夫婦問題の根本解決にはなりません。
あなたの中にある、相手のイメージを、潜在意識レベルで変えることによってこそ、相手が本当に変わり始めるのです。
すべては、あなたの内面の変化から始まります。