あなたの怒りにキレる夫・殻にこもる夫

本当は夫のことを愛しているのに、夫に対して無性に腹が立ってきて、抑えきれずに感情を爆発させてしまうことはありませんか?

そんな時、ご主人によっては、会話を避けて自分の殻に閉じこもってしまったり、あるいは反撃に出て、激しい言い合いがどんどんエスカレートすることがあります。

こういうことを繰り返しているうちに、お互いにフラストレーションが溜まり、こんなに性格の合わない人と一緒にいる意味があるのだろうかと、離婚を考えてしまう場合もあります。

この状態から脱却するには、どうしたらよいのか考えてみましょう。

夫に対して怒りが爆発するのはなぜ?

夫に対して強い怒りが湧いたとき、実は怒っているのは、あなたのインナーチャイルドなのです。

チャイルドは、最初から怒っているわけではありません。

夫に期待している反応が、思うように得られない時に、怒りが湧きます。

例えば、あなたはただ話を聞いてもらい、慰めてほしいと願っているのに、夫は要らぬアドバイスばかりしてきて、しまいには、そうできないあなたを責めたりすると、あなたのチャイルドは怒りはじめます。

また、関心を持ってほしいのに、夫が無関心でいたり、優しく受け止めてほしいのに、夫が冷淡な態度を取るときも、あなたのチャイルドは傷ついて怒りだします。

インナーチャイルドの怒りはとても強く、ひとたび感情の嵐が起こると、あなた自身を乗っ取ってしまうぐらいパワフルです。

そんな時でも、怒っているのはあなたのチャイルドなのだということを忘れないでください。

妻の怒りに対する反応は、夫によって違う

あなたのインナーチャイルドの怒りに触れた夫は、いきなり人格が変わったように感情に支配されてしまったあなたの様子にたじろぐことでしょう。

そして、ここからは性格によって反応の仕方が違います。

①あなたの怒りに、更なる怒りで対抗する夫

このタイプの夫は、あなたの怒った姿を見ると、それ以上の怒りであなたを威嚇し、抑え込もうとします。

あなたを力ずくで服従させようとする夫の姿は、あなたの目には暴君のように映ったり、「なんてエゴの強い自己中心的な人なんだ」とますます怒りが強まることでしょう。

しかし、これは性格によるものなのです。

「闘争か逃走か」の選択で、闘争を選ぶことの多い、主張型の性格であるためです。

彼は、あなたが疲れて降伏するまで、徹底的にあなたを打ち負かそうとすることでしょう。

②あなたの怒りを避けて、自分の殻に閉じこもる夫

このタイプの夫は、あなたの怒った姿を見ると、自分の部屋に閉じこもったり、会話を避けるようになります。

あなたはそんな夫に対して、向き合うことを避けられていると感じ、からんだり怒りをぶつけたりしてしまうかもしれませんが、近づけば近づくほど、向こうは逃げていきます。

これは彼が「闘争か逃走か」の選択で、逃走を選ぶことの多い、回避型の性格であるためです。

このタイプの人は、争いや面倒くさいことが嫌いで、関係から遠ざかろうとする傾向があります。

③あなたの怒りに不安がり、何でも合わせる夫

男性には珍しいケースですが、あなたが怒りを発すると、何とかしてあなたのご機嫌を取ろうと、必死に合わせてくる男性がいます。

そんな夫に、あなたは日常的にイライラをぶつけてしまうかもしれません。

ところが、こうした人は意外と恨みを溜めこみやすいので、あまりに邪険に扱うと、あなたを逆恨みすることがあるので注意しましょう。

これは彼が、見捨てられ不安が強い、不安型の性格であるためです。

④あなたの怒りを上手に受け止めてくれる夫

このタイプの夫は、非常に心が安定した人です。

あなたが怒りを発しても、それに対してキレたり心を閉じることなく、あなたの感情を受け止め共感してくれ、安心させてくれます。

そもそも、このタイプの夫には、妻のインナーチャイルドが爆発することは少ないでしょう。

これは彼が、安定型の性格だからです。

多くの女性が、夫にこのような役割を願っていますが、これができる人は多くはありません。

ほとんどの場合、夫自身にもインナーチャイルドの傷があるため、妻から感情をぶつけられると反応してしまい、このような安定した姿でいることが難しいのです。

関係修復のために、妻がすべきこと

あなたのご主人のタイプが、④でない限り、インナーチャイルドの怒りを彼にそのままぶつけていると、次第に夫婦関係が悪化していきます。

この悪循環を止め、夫婦関係を修復するためには、チャイルドの怒りを直接ぶつけないようにする努力が必要です。

女優になったつもりで、夫を夫と思わずに「大切なお客様」「下宿人」と思って接してみましょう。

つまり、あなたが他人に対して自然にやっているように接すればいいのです。

夫を他人と思って接してみる

まず他人の前では、なるべく笑顔を作りますよね。

他人だったら、腹が立っても怒りをストレートにぶつけません。

そして、相手が言うことに対して真っ向から反対せず、いったんは受け止めますよね。

もしあなたの中に反対意見があっても、他人に伝える時は、非難や攻撃と捉えられないように慎重に伝えることと思います。

こういうことを、他人に対してなら自然にやっているわけですが、自分の夫だと思うと、インナーチャイルドの感情がストレートに出てきてしまうのです。

しばらくは女優になって、ご主人のことをお客さんだと思って接してみましょう。

あなたからの怒りの攻撃が止めば、ご主人は自分が受け入れられていると感じ、安心し始めます。

そうしているうちに、次第に良い方に歯車が回り出すのです。

インナーチャイルドの思いを受け止めること

「女優になるのは良いけど、私の本当の気持ちはどうなるの?」

「感情の行き場がないじゃない?」と思うかもしれません。

そんな時、自分自身でチャイルドの思いをしっかりと受け止めてあげることが大切です。

夫にわかってもらえなくても、自分のチャイルドに向かって

「私だけはいつもあなたの味方だよ」

「そう感じるんだね。そう感じていいんだよ」

「あなたは悪くないよ」

「人にはみんなそれぞれの考えがあるだけで、夫はあなたを嫌いなわけではないんだよ」

などの言葉をかけて、いつもチャイルドの気持ちに寄り添ってあげましょう。

自分を受け容れている人の習慣

これができるのは、実は世界に自分しかいないのです。

「自分を受け容れている人」というのは、自分のインナーチャイルドに向かって、このような言葉がけができる人なのです。

難しく感じるかもしれませんが、これを習慣にすればよいだけのことです。

これができるようになれば、たとえ人があなたに批判的な態度をとっても、自分を損なわずに超えていくことができます。

ご主人との関係を通して、このような訓練ができるのなら、逆に授業料を払ってでも受けたい授業といえるのではないでしょうか?