後悔なく愛するためには、嫌われたくない心を捨てる。

2020年6月13日

与えた分だけ愛が返ってこない時、人は傷つく

自分が与えた分だけの愛が、相手から返ってこない、と感じる時、人は愛に傷つきます。

自分が100の愛を与えているのに、相手からは50しか返ってこない時には、寂しく感じます。

親子関係においては、親は見返りを求めずに子を愛し続けることができます。

でも、夫婦関係はギブ・アンド・テイク、と言われるように、愛を与えた分だけ、相手からも受けることを願います。

妻が夫に何十年も尽くし続けて、夫から十分な見返りを受けていないと感じる時、ある時突然心が冷めきって、もうこれ以上、夫の顔を見るのも嫌になる時があります。

これは、与え続けた結果、心の愛情タンクが枯渇した状態であり、熟年離婚の原因になります。

どんな動機で愛していますか?

著名な心理学者エーリッヒ・フロムは、その著書「愛するということ(Art of Loving)」の中で、次のように語っています。

 

愛について学ぶことはないと考える第一の理由は、たいていの人は愛の問題を、「愛する能力」の問題ではなく、「愛される」という問題として捉えているからだ。

つまり人びとにとって重要なのは、どうすれば愛されるか、どうすれば愛される人間になれるかということなのだ。

 

夫婦関係においても、私たちは、「相手をどのように愛するか?」ということよりも「どうしたら相手から愛されるか?」という動機から行動していることが多いと言えます。

例えば、旦那さんにおいしい食事を作ってあげる時の、あなたの動機について考えてみましょう。

「この食事を食べて、夫が喜んでくれて健康でいてほしい」という思いを込めて作っていながらも、同時に、あなたのしていることに対して「夫から認めてほしい、感謝してほしい」という気持ちもあると思います。

あなたが、旦那さんのために何かしてあげているとき、自分の動機の中で、愛を与えたい心と、愛を受けたい心の、どちらが上回っているのかをチェックしてみましょう。

愛が動機? 不安が動機?

フロムはまた、「愛は人間のなかにある能動的な力である」と言っています。

人の動機には、愛から動く場合と、不安から動く場合があります。

愛から動く場合は、あなたが旦那さんの喜ぶ顔が見たくて、心から何かをしてあげるときです。

不安から動くときは、そうしないと旦那さんが不機嫌になる、嫌われる、という思いからやっている時です。

やっている行為自体は同じだとしても、あなたの動機によって、意味が違ってきます。

 

愛が動機になっている時は、たとえ相手の反応が、予想と反したものであっても、それを受け容れる気持ちになれます。

例えば、あなたがせっかく手間暇をかけて作った食事を、旦那さんがあまりおいしそうに食べなかったとしたら、ガッカリはしても、それで傷つくことはありません。

でも、不安が動機となっている場合は、そういう旦那さんの態度に、ますます不安になり、卑屈になって被害者意識を持ってしまうこともあります。

「嫌われてはいけない」という禁止令

もしあなたの中に、「愛したい」よりも「嫌われたくない」思いが強いとしたら、それはあなたの幼少期の経験に原因があるからかもしれません。

子供には、二つの側面があります。

 

①感情を素直に表し、好奇心が強く、好きなことにワクワクしながら没頭する。

②親や周囲の人の顔色をうかがい、その人たちに合わせ、期待に応えようとする。

 

①は、すべての子供が生まれ持っている性質です。自分の気持ちに忠実な部分です。

②は、親との関係の中で作られ、協調性や社会性の基礎になる部分です。

①と②のバランスが取れていることが大切です。

しかし、①の状態であるときに親から否定されることが多く、②の状態であるときに褒められたりすると、子供は「親に合わせていい子だった時だけ愛される」と思い込んでしまいます。

結果、「嫌われてはいけない」という禁止令が潜在意識の中に入り込み、人から嫌われることを極度に恐れる性格となります。

そのため、常に人の顔色を窺い、NOと言えず、自分の感情や欲求は抑え込むようになるのです。

嫌われてはいけない社会は息が詰まる

実は日本人には、この「嫌われてはいけない」という禁止令が強いと言われています。

国民的無意識に深く根付いた禁止令、と言っても過言ではありません。

日本人の長所として、人との調和を大事にし、秩序を重んじます。

また相手の微妙な態度から気持ちを察する能力も、ずば抜けています。

しかし、自分の感情と欲求を抑圧しがちで、被害者意識に陥りやすく、他人の個性的な行動に対して理解度が低い、などの特徴があります。

「嫌われてはいけない」が強すぎる社会は、「出る釘は打たれる」的な、窮屈な社会となりがちです。

夫婦修復は愛を動機とすれば後悔がない

夫婦関係において、この禁止令が強く出ると、あなたは旦那さんの態度に一喜一憂しがちで、旦那さんが不機嫌な時は、自分が何か気に障ることをしたのではないかと不安になることでしょう。

相手に合わせてばかりいるので、思っていることを素直に表現できず、自分がしたいことは後回しになり、不満が溜まっていきます。

相手に尽くしているにも関わらず、自分自身が卑屈に感じ、被害者意識に苛まれることもあるでしょう。

長い目で見る時、禁止令を少しずつ手放していく必要があります。

そのためには、嫌われることを恐れて、旦那さんの顔色をうかがうのではなく、あなたが自分自身の意思決定で愛の動機と繋がることが大切です。

愛を動機として行動したときは、たとえ相手からの見返りがなくても、恨みになることが少なく、愛を出せた自分に満足感を持てることでしょう。

長い結婚生活の中で、夫婦の試練に直面する時でも、不安からではなく、あなた自身の意志決定により、愛を動機として関係修復に取り組めば、結果がどのように転んだとしても、後悔はありません。

それこそが、自分軸で生きることであり、自分の人生の主人となることなのです。

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